この記事では小児リハビリテーションの概要について分かりやすくまとめています
ボク自身も今の職場で小児リハビリテーションを行うことが決まり勉強中の身です
一緒に理解を深めていきましょう
この記事で分かること
・小児リハビリテーションの特徴
・小児リハビリテーションの目的
・小児リハビリテーションの効果
・どのようなことを行うか
※この記事は教科書や論文にもとづいて、記事作成者の解釈をまとめた記事になります。
表現方法によっては不快に感じる部分もあるかと存じますが、承知のうえでご閲覧いただければ幸いです。
小児リハビリテーションの特徴
小児リハビリテーションの特徴はズバリ “ご本人様やご家族様を中心に展開するチームアプローチ” です。
これは専門的なリハビリスタッフとの関わりのみがリハビリテーションではなく
ご家族様との関わりや日常生活全体がリハビリテーションの一環であるという考えのもと進められます。
また、家族の中で特に、母親との関わりが重要と言われています。
ご家族様を中心に、医師、看護師、リハビリスタッフ、教師など多職種が連携して
正常発達に則った機能獲得を目指していくものとされています。
小児リハビリテーションの目的
小児リハビリテーションの目的は主に以下の5つにまとめられます
・運動発達や精神発達の援助
・呼吸や喀痰などの援助
・手術後の運動療法の実施
・補装具の適合評価や情報提供
・哺乳や食事、嚥下の指導
順番に説明していきます。
1.運動発達や精神発達の援助
ヒトは発生から出生、そして成長の課程のなかで月齢や年齢に応じた発達をしていきます。
この発達には個人差があり「必ず〇歳▲ヶ月に~~ができるようになります」と断言できるものではありません。
ですが、一般的にたどるであろう発達段階を示す指標があります。
その正常発達段階に則った機能の獲得を目的に
対象者に関わるスタッフによる運動療法やレクリエーションなどの援助が目的になります。
2.呼吸や喀痰などの援助
疾患によっては呼吸機能を障害されてしまうケースがあります。
呼吸器を必要としたり、自力で痰を対外に排出できなかったりする場合
呼吸介助や喀痰介助などの手技やポジショニングなどを行い
対象者様の呼吸を楽にすることを目的に援助します。
3.手術後の運動療法の実施
脊柱(背骨)の変形や脳、小児がんなどに対して手術を行ったあと
運動を用いて機能の改善や獲得を目的に行います。
リハビリテーションのイメージとして最も一般的なものと思います。
筋力トレーニングや歩行練習などに限らず、日常生活に必要な動作の練習や指導なども含まれます。
4.補装具の適合評価や情報提供
対象者様の身体機能、能力、体格、そしてご本人様やご家族様のニーズに応じて
装具や車椅子などの適合評価や提案、また提供元の情報提供などが目的になります。
運動療法と併せて、ご本人様の生活の質の向上や介助量の軽減に直結するものになります。
5.哺乳や食事、嚥下の指導
構造上の変形(唇裂、口蓋裂、巨舌など)や、
脳や末梢神経、筋の障害(脳性麻痺、進行性筋ジストロフィーなど)によって
口からの摂取や嚥下が障害されてしまうケースがあります。
小児期の嚥下障害は代謝の維持や発育に応じた栄養管理に影響してしまいます。
対象者様の嚥下機能や原因疾患、発育状況に応じたリハビリテーションや食事形態の検討、指導を目的に行います。
小児リハビリテーションに期待する効果
小児リハビリに期待される効果は以下のとおりです。
・ご本人様の機能改善
・介助量、介護負担の軽減
・ご本人様とご家族様のQOL(生活の質)の向上
・費用対効果の向上
運動能力や精神面の成長、高次脳機能の改善や装具での動作能力の向上など
多方面からのアプローチを行うことでご本人様の機能改善が期待されいます。
また、ご本人様の機能が改善することにより、介助量や介護負担の軽減がされ、
ご本人様やご家族様のQOLの向上が見込まれます。
ご本人様とご家族様の双方が過ごしやすく生活できるようにたるために
リハビリテーションスタッフの関わりが求められます。
また、ご本人様のできることが増えることで経済的な費用対効果も期待できると言われています。
治療費や通院に当たる交通費、また、ご本人様やご家族様が本来得ていたであろう所得などから
経済的な損失が概算されます。
この損失が大きいケースだと約4億円と言われています。
このケースの方をリハビリテーションによって、軽度な就労が行えるところまで改善できたとすると
約2億円の損失削減がされると言われています。
リハビリを行うことで介護負担や経済的な負担が軽減されるということになります。
まとめ
小児リハビリテーションとは、ご本人様とご家族様を中心において
医師、看護師、リハビリスタッフなどの医療スタッフと地域社会など
多職種にわたるチームによってアプローチをし、機能や生活を向上させるための手段です。
このチームとして、対象者様の疾患や能力、環境によって個別的なアプローチを展開していく必要があります。
ボク個人的な解釈としては、専門的な知識と経験をもとに、機能改善だけではなく、ご本人様やご家族様のメンタルケアも重要になるかと思います。
この記事がより多くの方の一助になれば幸いです。